いろいろな会社がいろいろな営業方法を使っているこの業界です。
だから、どれが正解ということは、ありません。
しかし、いくつか「?」があります。
1.お金ももらっていないのにプランや見積書を書いて、契約にならなかったら、その代金は、誰からもらうのか。
2.他社と競合して、値引き合戦になって、本当に何十年も点検やアフターメンテナンスにかける金額が残っているか?
1.について
時々私にプランを書いてほしいという依頼をされる方がいます。私は、国家資格のある設計士ですし、建築家なのでタダでプランは書きません。
しかし、世の中には、「ファーストプランはタダです」と言って、プランを書く会社があるらしいのです。
住宅の業界の成約率は、10分の1といわれています。
つまり、10人のお客様が見学会やイベントにいらっしゃったら1人しかその会社では立てないということです。
そして、その10人にプランを書いたとします。その10人分のプランの作成料は、誰が払うのでしょうか。
その前に、タダのファーストプランだそうですが、そのファーストプランも人が、作っていますから当然製作費があるはずです。では、それはいくらなのでしょうか。
まず、図面を書くために土地を測量します。男性、二人が丸1日かかります。
そして、CADに図面を起こし、それを元にして設計士がプランを作ります。
だいたい、間取りの素案を書くのに2~3時間くらいかかります。そのほかに立面図や配置図、簡単なパースなども書きます。
そういったものをCADオペレーターに清書してしてもらいファーストプランと呼ばれるものができます。
また、役所に行って土地や建物にかかわる法律や規制を調べます。
測量士1日 25000円×2=50000円
CADオペレーター3日 20000円×3日=60000円
設計士プラン作成1日 50000円
調査費 30000円
その他 10000円
合計 200,000円
これは、人件費だけしか見ていませんから、実際には売り上げベースで考えないと会社にお金は残りません。
なので、ファーストプランは、約30万円かかります。
それが、10人分。誰が払うのでしょう。
そうです。契約した人が、他の9人分270万円を払うのです。
その会社が負担するのでなく、契約した人からお金をもらうから、タダでファーストプランが書けるのです。
あなたは、そんな会社と契約したいですか。もし、その会社と契約したら、あなたは、他の9人分のファーストプランの作成料を払わされることになります。
これが、「ファーストプランはタダです」のからくりです。
私は、そういう理不尽なことをしたくなかったのです。
契約してくださった方が、お客様です。
私たちを信じて契約をしてくださったお客様こそ大事にしたいのです。
だからこそ、ファーストプランはタダですとは、言えないのです。
たまに、私たちに他社の図面を見せて「この図面でおたくならいくら?」という方がいます。
しかし、私は、この図面に設計士の今までのすべての経験やその会社のノウハウがつまったものであることを知っています。
お金だけ出せばいいのではないでしょう。こういう方は、私たち設計士、この建築業界の者を冒涜しているのです。
私は、こういう方には、早々にお帰り頂いています。
win-winの関係でなくては、仕事を続けていけません。自分だけ得すればいいという人を私は、お客様とは呼びたくありません。
でも、「どんな家がいくらで建つかわからないじゃない?」
そうですね。
だから、見学会で当社の家をいくつもご覧いただき、ショールームで当社の家づくりを理解していただき行き、資金計画セミナーでお客様にあった予算組をするのです。
当社のお客様は、「後藤建設さん、私の家を作ってください」と言ってくださいます。これほど光栄でこれほどうれしいことはありません。
騙されない賢いお客様になってください。
これは、私からのお願いです。