私も人の親なのだが、世の中の親は、人の役に立ちなさいとか、かけられた恩には報いなさいとか、人様の物を大事にしなさいとか、人の悪口は言わないとかという事を子供に伝えているのだろうか。
どうもそういったことを言われたことがないという雰囲気を出す若者がいる。
これは大変な問題だと思う。
弊社では、以前会社の車汚いことがあり、きれいにするようにと怒ったことがあった。
たまに、部下と飲みに行くとき、彼の車に乗せてもらうととてもきれいに使っている。
で彼の、会社の車はというと、これが汚いのである。
こんこんと説教をして、「会社の車は、お前の物だけではない。他の者も使うかもしれないし、第一会社の車は、汚くしていて自分の車はピカピカってなんだ!人様の物だから、自分の物より大切にしなければいけないのだろう!親にそう教わっただろう!」
怒られている彼は、何か腑に落ちないようである。どうやら親に言われたことがなさそうなのだ。
子供の頃、親にそんな説教じみたことを言われると、反発を覚えたものだが、今自分が仮にも人の上に立つもの、親になってみると本当にその意味が身に染みる。
仕事で、他人のお世話をしないという事はない。何かしら、人様にお世話をさせて頂く。
人のもの、他人を大事にしなくてはならないという感性がないものに仕事ができるわけがない。
人との関係を客観的に洞察できなければ、仕事は、いつも自分本位、自分の思い込みだけでやっていて社会性がない。必ず相手がいる仕事で、それがうまくいくはずがない。
そして、ほとんどの人の場合、社会的評価は、仕事の評価であり、仕事の評価は、つまるところ人間関係の評価ではないだろうか。
親になったら、古臭くても説教じみていても、人の役に立つことを考えなさい、他人や人様の物を大事にしなさい、愚痴や人の悪口を言うな、人に親切にされたら返しなさいなど、当然のしつけとして言うべきではないだろうか。
ちなみに、今は、うちの社員の車は、以前よりきれいになっています。