先日、父が入院した。とはいえ、本人は至って元気である。
手術をした2日後に電話をかけてきたのだから、体調も気分も随分と良かったのだろう。
私も10年前、手術をしたが2日めなどとてもそんな気分ではなかった。
そうはいっても父は、84歳で男性の平均寿命を超えているからそれなりに色々ある。
さて、そんなこんなで現在私の自宅と同じ敷地内にある実家(というか母屋です)では、日中は、母一人と一匹の住まいである。
一匹はらぶがいる。これも彼女の主治医に言わせると人間の年にすると90歳位らしい。今年の春は、彼女が家へ来て16年目になる。
らぶは、耳も聞こえない。時々おもらしもする。朝散歩に行くとき、動けず寝床からでられない時がたまにある。
そのくせよく吠える。散歩に連れて行けといっては吠え、餌が欲しいといっては吠え、おやつが欲しいといっては、吠え。周りに人がいないと、どこへ行った?といっては吠える。
家の中で大型犬が吠えるのは、かなりうるさく迫力がある。しかも年寄りの癖に前足を浮かせて天を仰ぐように吠える。もう全身全霊で吠えるのである。
人がいないと吠えるので、夜は、私がらぶの隣で寝ている。
らぶは、私の犬なのだが、仕事柄散歩が夜中になるのを見かねて、父がらぶの世話をしてくれるようになった。
実家は、種族を超えた老老介護の超高齢化世帯なのだ。
そんな状態なので徒歩30秒の実家に時々顔を出すことにしている。
先日の事、奥さんと二人で実家を覗きに行った時の事だった。
私の母は、いちいち口うるさい人なのだ。これには、子どもの頃からずっと辟易している。
今は、父がいなくて人と話すことに飢えているのか、さらによくしゃべる。
あまりによくしゃべるものだから、私は、辟易して返事をしなかった。
自宅までの帰り道私は、奥さんに責められた
「なんでお母さんが話しかけてるのに返事をしなかったの?どういう態度なの?今はお父さんがいなくて、お母さんんは、話したい事100のうちの10くらいしか話せないんだから、あんたが50くらい受け止めてあげな!」
と、かなり口汚いべらんめい調でののしられると、一瞬イラっと来る。
だが、まったくその通りだ。
私は、心が狭すぎる。幼稚すぎる。自分を恥ずかしいと思った。反省。
できた嫁である。さとちゃんありがとう。
では。